skip navigation

導入事例

CASIO Business : Case Studies[導入事例]
ハンディターミナル・PDA
日鉄鉱業株式会社 様
2007年4月18日掲載
カラー出力を生かした帳票システムで効率的な帳票発行業務を実現
石灰石等の生産販売を中心として、チリ銅鉱山開発、機械環境事業などを手掛ける日鉄鉱業。同社の経理部門では、長年に亘って納品書や請求書の発行にドットインパクトプリンタを用いてきたが、オープン系の帳票システムを新たに構築し、同時にカシオのカラーページプリンタ「SPEEDIA N3500」を採用、全国各地の事業所で利用を開始した。
鳥形山鉱業所で石灰石を採掘している鳥形山の全景
 
帳票システムのオープン化で多様なニーズに応える
日鉄鉱業 経理部 
情報システム課長 永井勝氏
 
 
 
 
石灰石等の生産・販売を業務の中心とする日鉄鉱業では、全国各地に事業所を展開している。帳票発行システムは東京都内にある同社経理部が管理しており、そこで処理されたデータのみを各事業所に配置されたプリンタへ送って納品書や請求書などを出力し、各事業所の販売担当者が取引先に送付するなどの事務作業を行っている。

これまで、この帳票発行システムはメインフレームとドットインパクトプリンタで構成されており、あらかじめ罫線や角印などを印刷したプレプリント帳票用紙を用いていた。しかし、ドットインパクトプリンタは市場が縮小傾向にあり、日鉄鉱業で用いていた機種も近くサポート終了となることが判明し、代替手段を確保することが急務となっていた。同社はこれを機に、これまでのレガシーシステムで不便だった点などを一気に改善するべく、システムをオープン系に刷新し、業務の効率向上を図ることにした。

「プレプリント帳票はレイアウト変更ができませんし、メインフレームの印刷出力は1行あたりの文字数も決まっています」と、経理部 情報システム課長の永井勝氏は言う。印刷の自由度が低く、帳票を容易に変更することができなかった。コストダウンや事務作業の負担を軽減するために帳票の枚数を減らすこともできない。帳票システムをオープン化することで、帳票の自由度が向上し、こうしたニーズに応えられるようになるというわけだ。
 
ナローバンド拠点に展開するためスプールサイズも比較検討
一方、自由度の高い帳票出力のためには、通常の(プレプリントでない白紙の単票)用紙を用いて、カラーで印刷することが必要だった。

「罫線はもちろん、ハンコの問題もありました。社名を彫った角印です。この印影を帳票システムに取り込んでおき、カラーで印刷したいと考えていました」(永井氏)
このニーズから、カラーページプリンタが必須となり、日鉄鉱業では帳票システムを構築するパートナー企業とともに機種の選定を進めていった。

検討の際には、ランニングコストはもちろん、プリンタに送られるデータ量も大きな要件となった。というのも、日鉄鉱業では、日本トップクラスの石灰石生産量を誇る高知県の鳥形山鉱山をはじめ、鉱山に置かれた事業所も多いからだ。

「鉱山ゆえに僻地の事業所も多く、いまだにナローバンド回線しかないという拠点もあります。こちらから送るデータのサイズが大きいと、その転送に時間がかかってしまいますから、今回のプリンタ選定に際しては、データオブジェクトのサイズも比較しています」(永井氏)

日鉄鉱業 経理部 
情報システム課 課長代理 横山和是氏
こうした様々な評価の結果、選ばれたのは、カシオのカラーページプリンタ「SPEEDIA N3500」だった。機種選定後、テスト用のプリンタを用いて2カ月ほどの動作検証を実施している。

経理部 情報システム課 課長代理の横山和是氏は、「トータルバランスに優れていることからN3500を選びました。当社ではカシオの製品を初めて使うのですが、テストの際にはカシオの技術者にも来てもらい、さらなるデータサイズ縮小のためのプリンタドライバ設定のノウハウなどを教えてもらいましたし、遠隔サポートサービスの『ネットdeサポート』を使うことで、こちらから各地のプリンタの様子が分かりますので、非常に有難いですね」と評価している。
 
事務作業を軽減し将来的な書式変更にも対応
日鉄鉱業の新しい帳票システムは、2007年2月から稼働を開始した。ドットインパクトプリンタを代替するN3500は、合計15台が全国の拠点に配置されている。

「既存の帳票をベースとしつつも、1枚あたりの行数を増やすなどしてトータルの印刷枚数を減らすよう工夫しています。複写用紙でなくなったため同じ帳票を正副2枚印刷する必要がありますが、印刷スピードがアップしたので全体としての出力時間は短縮されましたね」(横山氏)

納品書や請求書の発行は特定の時期に集中するものだが、ある拠点では1日あたり600枚もの帳票を出力することもあるという。帳票出力後に紙を折って封筒に入れ、発送するといった付帯作業も、これまでは大きな負担だった。

「プレプリント帳票では用紙サイズや紙質などの問題から自動紙折機が使えませんでしたが、今回のシステムでは問題なく使えるようになりました。夕方に出力を開始して夜中まで作業していたのが、大幅に短縮されましたね」(永井氏)

現在、日鉄鉱業の帳票システムは、請求書と納品書の出力に限って使われているが、他の帳票にも活用していく方針だと永井氏は言う。

「このシステムで、社内のユーザーの要求に対応しやすくなりました。レイアウトの自由度やカラー出力の説得力を生かして、今後は他の帳票も見やすくしていきたいですね」
日鉄鉱業の帳票発行システム
【導入製品・ソリューション】
カラーページプリンタ SPEEDIA N3500