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導入事例

CASIO Business : Case Studies[導入事例]
ハンディターミナル・PDA
株式会社東武ストア様
2007年3月19日掲載
高機能なPDA型ハンディターミナルでスーパーマーケットの店舗業務を効率化
「地域社会への奉仕と貢献」を目指し、東京、埼玉、千葉の地域に約50店舗のスーパーマーケットを展開する東武ストア。スーパーマーケットの売場スタッフにとって業務の大きな部分を占める発注作業を効率化するため、1995年よりカシオの携帯情報端末を店内モバイル端末として採用した。その後、システムの更新で携帯情報端末からハンディターミナル「DT-800」「同850」へと切り替え、さらに2006年には再度のシステム更新と同時に「DT-5200」を採用した。
 
手頃なPDA端末で店舗スタッフの業務をサポート
東武ストア 業務本部 情報システム室
課長 松本浩一氏
 
「売場スタッフの大きな仕事の一つは発注作業です。それを支援する端末やシステムは、以前から代々使い続けています」と説明するのは、東武ストア業務本部 情報システム室課長の松本浩一氏。

売場で商品の売れ行きを見て適切なタイミングで発注をかけることは、欠品を出さないようにする上で重要だ。かつて、発注作業は紙のオーダーシートに記入してバックヤードに持ち込んでいたため、一時的に売場を離れる必要があった。発注は随時行わねばならない作業だけに、売場スタッフの負担は大きかったと言えよう。そこで、モバイル端末を使うアイデアが出てきた。

「1995年、入力端末の老朽化に伴って入れ替える際、生鮮品の発注用として初めてモバイル端末を導入しました」(松本氏)

東武ストアがコンペを経て選んだ端末は、カシオの携帯情報端末「PD-5000」だった。それに外付けのバーコードスキャナを組み合わせて使用していた。

2度目のシステム更新となった1999年には、PD-5000とは別にPOSでの売価チェックのため、無線通信機能を持ったハンディターミナル「DT-800」を導入。それまで、売価チェックには商品をPOSレジまで持っていかねばならなかったが、売場にいながらにして確認できるようになった。また2001年には端末を「DT-850」で追加導入し、発注と売価チェックの両方を1台で実施することが可能となった。
 
現場の求める「スピード」を実現すべくDT-5200を選択
東武ストアのシステム更新は4〜5年間隔で行われている。次の更新に向け、新たな端末の選定を開始したのは2005年8月のことだった。

今回は、さらなる「多用途化」を目指したと松本氏は言う。
「現場が求めているのはスピードです。それをサポートするため、売場スタッフの業務すべてをカバーし、できるだけバックヤードに戻らなくて済むようなシステムにしたかったのです。例えば、商品の売価チェックはもちろん、必要に応じて売価変更も可能にしたい。商品の販売許容も、商品の消費期限と、棚札の販売基準値を元に人が計算してチェックしているが、間違いなく把握できるように具体的な日付をシステム内で計算して画面に出すようにしたい、といった具合です」

さらに、これまでの端末の運用で問題になりやすかった点などを考慮し、今度は、携帯性と画面の広さ、使いやすさを両立させたPDA型から選ぶことになった。

「カシオの機種にするか、他社のものにするかで迷いましたが、いろいろな条件を検討した結果、カシオの『DT-5200』に決定しました。処理速度が速く、電池寿命が長いこと、無線LANも標準搭載していること、それから過去の端末でもソフトをカシオに作ってもらっていた実績があり、今後もカシオのソフトウェアソリューションに期待していることなどが、その主な理由です。また、DT-5200の使い勝手は前モデルのDT-5100よりずっと良くなりましたね。スキャンボタンも正面の中央に設置されて操作しやすくなっています」(松本氏)

 
DT-5200を使うことで、店舗業務のほぼ全てをカバーできる
 
新システムの構築・導入は2005年から2006年にかけて実施された。新たに採用した無線LAN対応のPOSレジとDT-5200を活用するため、全店舗に無線LANインフラを展開。バックエンドにはカシオの流通・小売業向け店舗支援ソリューション「Excellent Store」シリーズのひとつである店舗業務支援パッケージ『Store Operation Plus』も導入し、「発注」「在庫管理」「売価確認」など、様々な情報管理に活用している。

導入台数は合計850台。以前のハンディターミナルは450台だったが、一気に倍近くまで増やした。

「基本的に1人1台として、端末待ちをなくすのが目的です。効率的な行動が可能になり、結果的には人件費抑制につながります。また、今や、売場スタッフは、自分の持ち場以外にも対応できることが求められています。そのため、システム面でも、全部門が同じソフトを使うようにしました」(松本氏)
 
業務効率の向上とともに、今後はサービス拡大も視野に
「台数増加だけでも、業務効率はアップしました。旧端末に慣れたスタッフが新端末に馴染むまで、さすがに少し時間が必要でしたが、売場で様々な情報を確認したり、作業することができるので、ほとんどバックヤードへ行かずに済むようになりました。また、このシステムなら、今日入ったばかりの売場スタッフでも、操作さえ教えれば売場でのチェックが可能です」と松本氏は言う。

なお、東武ストアにおける端末の使い方では、「定物定位(ていぶつていい)」という考え方が興味深い。道具類を常に決まった位置に置いておく、使ったら常に戻す、といった整理整頓ポリシーだ。

「少ない人数で効率よく活動するための工夫です。常に同じ場所にあれば、探す時間を節約できますから。DT-5200に関しても、事務所の一角に専用の箱を用意しておき、端末と箱の両方に番号を振って、常に同じ端末を同じ場所に置くようにしています。1人1台の割り当てですから、誰が端末を持っているのか、箱を見るだけで分かるのです」(松本氏)

これは端末の紛失などのトラブルを予防でき、セキュリティ上も有効な方法だと言えよう。
 
「定物定位」の考えに基づき作成した、PDA収納ケース
 
今後、DT-5200およびExellent Storeをさらに活用していきたいと松本氏は言う。業務面では、バーコード印字の値引きシール発行システムを使っていきたいと考えている。

「POSで値引き情報を読み込むため、分析が容易になります。また、レジでの値引き忘れの撲滅や売場スタッフの値引きに対する意識が薄いと感じておりますので、それを改善する意図もあるのです。ただし、この仕組みはシステムだけでなく売場での運用も絡んでくるのでハードルは高いですね。しっかり運用を固めて取り組んでいきたいと考えています。また、例えば、スーパーの営業は24時間営業の登場など、店舗オペレーションもどんどん変わっていきますから、そこにも対応していく必要があります」(松本氏)

さらに、DT-5200をコミュニケーションツールとして活用する案も検討している。これまで、社内の連絡事項は事務所のPCに届いていた。それを各スタッフが持つ端末の画面上にも表示させられれば、より迅速に情報を伝えられる。また、DT-5200のVoIP機能にも期待しているという。

「もともとPOS用のインフラとして構築したものなので、VoIP通話がどこまで影響するのか、検証が必要となりますが、無線LANインフラはすでに全店舗にあります。1人1台ですから、端末のIPアドレスからスタッフ個人を特定して連絡が可能です」

現場が求めてきた「スピード」を、さらに推進するというのが松本氏の考えだ。

「このシステムは拡張性があるので、いろいろなことができます。どこまでやるか、そしてどこまで使えるかを考えつつ、より活用していくつもりです」
【導入製品・ソリューション】 ハンディターミナル DT-5200  店舗業務支援パッケージ Store Operation Plus